「治具ベース」とは主にイケール(ツーリングブロック)・サブテーブルのことを指し、様々な形状・サイズのものがあります。ここでは、それらを選定するためのポイントをご紹介します。
工作機械の仕様に合わせて治具ベースを選定する方法です。
機械仕様から選定する場合にポイントとなるのは「主軸(スピンドル)」「テーブルサイズ」「積載重量」の3点です。どの選定方法でもベースエレメント・ワーク・治具の組合せを考慮した選定が必要です。
主軸の方向により、ベースエレメントの機種が異なります。
横形であれば4面イケール・2面イケール・1面イケール・パレットテーブル、立形であればサブテーブル(補助テーブル)になります。
機械テーブルと同サイズのベースエレメントを選定するのが一般的です。
横形マシニングセンタでは、JIS規格(JIS B 6337)にてテーブル仕様が規定されています。ベースエレメントは、このJIS規格に基づき、取付穴・位置決めが設計されています。
立形機械用は、取付方法・油溝などを考慮する必要があります。
機械テーブルに合せ取付穴を設定。
取付クランプを使用する場合、クランプのスペースが必要です。
油溝を考慮したサイズの選定が必要です。
干渉・積載重量などに考慮し、オーバーハングさせる方法もあります。テーブル使用面を拡大することができます。
機械テーブル上の積載重量制限内で、ベースエレメントおよび治具を設定する必要があります。
特に横形マシニングセンタでは、ベースエレメントの高さにより、スプラッシュガードへの干渉が発生します。また、旋回などによる干渉エリアの規定があります。
ベースエレメント・ワーク・治具の組合せを考慮した選定が必要です。
特に横形マシニングセンタでは、ワークサイズ・ワーク種類・工程数・生産数などにより、ベースエレメントの選定がかわります。
多面イケールのほとんどは、セルフカット仕様となっております。セルフカットにより、ご使用機械に合った精度に仕上がります。
いかなる工作物でも厳密には、誤差ゼロではありません。ご使用機械も同様に許容範囲内での誤差があります。
ご使用機械の誤差・ベースエレメントの誤差・位置決め等の治具の誤差が重なれば、大きな誤差が生じる可能性があります。
ご使用機械でセルフカットを行なえば機械と合った精度に仕上がります。
ベースエレメントの使用面に施してあります溝・穴は、主に次の機能があります。
T溝は穴とくらべ、自由度がありますが、再現性は劣ります。
基準穴はT溝とくらべ、再現性に優れていますが、自由度は劣ります。
タップ穴は位置決めができません。
U溝は締結ができません。