除振・防振製品には、振動を減衰する良い効果と増幅させて悪影響を及ぼす効果があります。
ここでは、どのような特性を持っているのか伝達特性グラフを用いて分かりやすく解説します。
振動伝達特性は、対象のどのような振動をどれだけ抑えられるか、除振・防振製品が持つ性能の度合いを意味します。
この振動伝達特性は以下図のように示します。このグラフは、除振・防振製品がもつ伝達特性の一例です。
グラフの横軸が振動周波数(単位はHz)、縦軸が振動伝達率(単位は倍)です。
振動伝達率とは「伝わる振動の比率」のことであり、除振・防振製品を通過する前の振動(床や机などの振動)と比べて、通過した後の振動(対象の振動)が何倍になっているかを表します。
除振・防振製品でも振動が大きくなる(悪影響を及ぼす)領域が存在し、その領域を「振動増幅領域」といいます。
振動増幅領域は、縦軸の振動伝達率1倍(赤線)よりも上に位置します。
逆に、振動伝達率1倍(赤線)よりも下に位置する領域は、振動が小さくなる(減衰する)領域となり、「振動減衰領域」といいます。
上特性グラフをもとに振動伝達率から性能を読み取っていきましょう。
以下のグラフはある除振・防振製品の特性グラフと効果を表しています。
縦軸の振動伝達率は、横軸の対象となる周波数に対して、振動を何倍にするかの効果数値となります。
振動伝達率1倍は変化がないものとなります。
1倍を基準にして、上には2、3、4、5、6、7、…、10倍と続き、増幅する効果となり、1倍を基準にして、下には0.5(1/2)、0.33(1/3)、0.25(1/4)、0.2(1/5)、0.16(1/6)、…、0.1(=1/10)倍と続き、減衰できる効果となります。(さらにその下は1/20、1/30倍…と続きます。)
①周波数20Hz(縦軸赤枠)の場合、振動伝達率の4(横軸赤枠)と交差しているため、4倍の大きさに増幅させる特性を持っており、悪影響を及ぼします。
②周波数32Hz(縦軸黄枠)の場合、振動伝達率の1(横軸黄枠)と交差しているため、1倍となり使用してもしなくても変化はありません。
③周波数40Hz(縦軸青枠)の場合、振動伝達率の0.16(横軸黄枠)と交差しているため、0.16倍となり減衰する効果を持っています。
このように、除振・防振製品がもつ振動伝達特性のグラフから、対策したい周波数が分かれば、振動がどのくらい減衰する、増幅する(悪影響を及ぼす)、又は変化しない、といった振動対策の効果を把握することができます。
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